登記されていないことの証明

 建設業の申請をするときに役員全員分の「登記されていないことの証明書」を添付しますが、そもそもこれは何の書類なのかご存知でしょうか?

 

車椅子の老人

被後見人、被保佐人

 認知症や重度の精神疾患にかかり判断能力がなくなってしまっている人は、放っておくと悪い人に騙されて財産を失ったり、とても高いものを売りつけられたリする危険性があります。そこで、そのようなことが有っても取り消すことができるように、国はその人の能力の程度によって「後見人」「保佐人」という制度を作りました。

 例えば、最近全く判断能力がなくなってしまったAさんがいます。Aさんの為に(家族などの申出により)裁判所は後見人を指名してくれます。後見人をつけてもらったAさんを被後見人とよびます。被後見人になると被後見人がした行為は日用品の買い物のような日常行為を除いては、後見人が取り消すことができます。

 被後見人より判断能力多少ある人は被保佐人になり、不動産の売買などの重要な契約は保佐人の承諾が必要になります。

ベンチにすわるお婆さんと看護師

後見登記

 これらの「被後見人」「被保佐人」に指名された人は裁判所を通じて、法務局に登録されています。もしも会社の役員の中に被後見人のかたがいると、その人のする契約などが取り消されてしまうので、ほとんどの許認可業務では役員の中に後見登記されている人がいる会社は排除されてしまいます。

 「登記されていないことの証明書」は、法務局にこのような登録がないことの証明を出してもらうことになります。

「登記されていないことの証明書」を取得するには

 登記されていないことの証明書を取得するには、法務局に行くか郵送で申請するかオンラインで取得します。この場合の法務局は本局(千葉なら千葉法務局)か、東京の九段にある東京法務局でしか扱っていません。近くの出張所では取得できませんので注意してください。

 それと一番大事なことですが、申請用紙には必ず住民票の通りに記入しなければいけません。例えば住民票には〇〇1丁目2番3号と記載があるのに〇〇1-2-3と書いて申請すると法務局は証明を出してくれますが、県のほうで再提出になります。あなたの書いた字がそのまま証明書に記載されてきますので、できるだけ丁寧に、名前も住所も住民票の通り記入しましょう。